たかたむらブログ | ライトクルー【Lightcrew】
ちぐはぐな時間2009-11-03

ちぐはぐ

 

この言葉の語源はいったいなんなんだろう

どこから来たのだろう 

語源辞典か何かで調べれば すぐに答えは見つかるのだろうけど

そこまで考えたとたん

そんなことは実はどうでもいい と思っている自分に気が付いた

 

なんとなく この言葉が含むリズムが 気に入っている

今の自分にぴたりと馴染んでくる

 

ちぐはぐ  ちぐはぐ  ちぐはぐ  ちぐはぐ  ちぐはぐ

 

模様みたいで 文字まで可愛く見える

 

ここのところ どうも自分の中のバランスが ちとおかしい

何をやっていてもしっくりこなくて ネジが一本飛んでしまったみたいな

 

自分が行き着きたい場所すら 見当たらない

 

こんな時 神様に感謝したくなる

ラッキーなことに 私はこんな時でさえ かなり楽天的だ

 

ちぐはぐ  ちぐはぐ  ちぐはぐ  ちぐはぐ  ちぐはぐ

 

いつまでこんな感じが続くのかわからないけど

とりあえず今は この状況を楽しんでみようと思う

 

ある日突然 どこかへ飛んでいってしまっていたと思っていたネジが

ぽん  と戻ってくるかもしれない

 

その時までは  ちぐはぐ  ちぐはぐ  して

この時がきたら  ずんずん  ずんずん ずんずん  すればいい

 

 

 

 

ハロウィンの魔法2009-10-26

クリスマスと同様 ハロウィンも日本の行事になってきたのだろうか

 

花屋に行けば カボチャの形をした器に花がアレンジされ

洋菓子屋に行けば 

これまたカボチャの器に 小奇麗にお菓子が盛られている

新聞には 連日ハロウィンで賑わう関連市場記事が掲載されていて

ヴァレンタインやクリスマスのような市場を確立しつつある

 

向かいの家の住人は 季節に敏感だ 

季節ごとに 鉢植えの花がきちんと植えかえられ

今は花壇にカボチャのランタンが飾られている

あと一ヶ月もしたら 花壇に整列しているコニファーに

電飾が巻きつけられて さりげなくクリスマスの演出がなされるはずだ

 

でも 私はこんな感覚が嫌いじゃない

楽しくて愉快で いいと思う

 

どこの国の行事でもいいじゃないか

どんな宗教行事でも別にかまわない

適当に楽しめて 盛り上がれて その行事のおかげで

街も明るく彩られて

みたいな... 

 

ハロウィンも クリスマスも ヴァレンタインも イースターも サンバカーニバルも

みんな楽しんじゃえ!!

みたいな...

 

日本人は他の国の人と比べると 随分と堅苦しい人種のような気がするが

こと信仰心に関しては 格段大らかなようだ

他の国の宗教行事をあっさりと自国の大衆文化にしてしまえる

たとえば 

ユダヤ教徒とキリスト教徒では

クリスマスの祝い方一つとっても違いがある

クリスマスはどこの国の誰もが楽しみにしている行事のように

思われがちだが ユダヤ人はクリスマスを祝わない

クリスマスツリーも飾らなければ クリスマスカードも書かない 

そのかわり ハヌカ と言って

ユダヤ教特有の宗教行事を祝う

ハヌカキャンドルを灯し ハヌカカードを送る

クリスマスと同時期に祝うのだが その性質も内容も

食卓を彩る料理さえも 全てがクリスマスのそれとは異なる

 

クリスマスと同様 ハロウィンも立派な宗教行事だ

でも アメリカにいた頃 やっぱりそれは私の中では

年に一度やってくる 楽しいイベントだった

 

ハロウィン2.jpgハロウィンの一月前ぐらいから 

街は徐々にオレンジ味を帯びてくる

街のあちらこちらで 大きな大きなかぼちゃが売られ

( かぼちゃの橙色というのは見ているだけで

本当に幸せな気分になる )

家の階段や玄関先にジャックランタン →

かぼちゃの中身をくりぬいて不気味な顔を刻んだ物

にろうそくを灯したもの が飾られ

案山子や魔女やフランケンシュタインやらの人形が

家庭の窓にぶら下げられたり 軒先の椅子に座らされたり

 

10月31日 お昼

思い思いのコスチュームに身を包んだ小さな子供達が

親に手を引かれながら

近所の商店や個人宅を " Trick or Treat " と言いながら

お菓子をもらいに練り歩く

 

 夕方ぐらいになると 小学生から中学生ぐらいの子供の出番となり

夜になると 高校生や大学生 大人達が

これまた子供顔負けの派手な衣装・派手なメークに身を包み

家庭でハロウィンパーティーを開いたり

マンハッタンの仮装行列に参加したり  レストランで賑わったり

 

大学でも 奇妙な仮装をしてやってくる学生が 普通にその格好で授業を受け

生徒だけではなく

この日ばかりは先生までもが 魔女になったりピエロになったりして

教壇に立つ人もいる

オフィスにも仮装してやってくる人がいるようだ

 

ハロウィン.jpg町じゅう あちらこちらに テレビや映画で人気のキャラクターや

ゾンビや魔女や怪物たちが うようよ と徘徊していて

近所のスーパーやドラッグストアーで

普通に買い物していたりするのが

たまらなくおかしい

 

街中が高揚する日

みんながハロウィンの魔法にかかる

 

 

今年の31日は都合よく土曜日だ

羽目をはずしたがっている大人達が

ここぞとばかりに爆発することだろう

 

私も 友達数人に声をかけてみようか...

『 ハロウィンパーティーやります  要仮装 』 って

きっと逆にみんなを困らせることになるよな~

いやいや

意外とみんな コスチューム探しに夢中になったりして

喜んでくれるかもしれない

 

そんなことを想像したりするだけで

なんだか無性に楽しくなってきた 

幸せな気分になれる種は いつもすごく身近に転がっていたりする

 

みんなでハロウィンの魔法にかかろうか

 

 

 

 

 

 

 

秋の薫り2009-10-16

yasai47kinmo.jpg金木犀 のある家に住みたいな と

 この季節になると 必ずそう思う

 

なにしろ とてもいい匂いだ

 

この香りが好きな人が多いのか

金木犀を植えている家が多いと見えて

近所を歩けば あちらからもこちらからも

金木犀が香ってくる

 

庭に金木犀の木があったなら

開けた窓から ふんわりと風に乗った この甘い匂いが

絶えず家に運ばれてくるのかと思うと

無性に欲しくなる

 

この金木犀が香る頃

甘い匂いに秋を感じて 私は栗を煮る

 

毎年この栗を楽しみにしてくれている人のことを思って

気の遠くなる作業を なぜかとても幸せな気分で

たんたんとこなしてゆく

 

今年もとても美味しく煮上がった

 

顔をほころばせながら 幸せそうに栗を口に運ぶ人を

想像するだけで

気持ちは 静かに 豊かに なってゆく

 

そんな人のことを思いながら

私は きっと来年も 

また この邪魔臭いことを 平然と当たり前のことのように

繰り返すに違いない

 

 

学び2009-10-08

 まわりに漂う空気を 圧倒的な存在感で閉じ込めてしまえる人

4210811329_20090429101003.jpgぴんと張り詰めた静けさの中で 時間の動きを止めてしまえる人

 

彼女の舞台は息を呑むほど素晴らしかった

 

上野水香

 

この輝きのあるつややかなダンサーに 私はこの日 恋に落ちた 

 

東京バレエ団  『 ラ ・ バヤデール 』

 

今まで観たことのない演目だったし 

話の舞台がインドなので 音楽も舞台衣装も 興味深い

舞台装置も イタリアからわざわざ持ち込んだとかで面白そうだ

そんな理由でチケットを買った

 

だから 東京バレエ団にはどんなスターダンサーがいるのかも知らなかったし

東京バレエ団の公演を観ること自体 初めて

 

観終わった後 体が充電されたようだった

 

演出も音楽も衣装もダンサー達も その全てが最高の状態になった時に

観客も舞台と一体化してゆくのだと思う

 

上野水香  華奢な彼女が 細く長い手足を操ると 

まわりの空気までもが 彼女の意のままに操られてゆく

観客の心も その空気とともに操られる

 

4000人をも収容できる あの大きな舞台で

彼女は  細く華奢な体のあの彼女は 時間さえも操っているかのようだった

 

パワフルな動き ソウルフルな歌声  華やかな舞台装置  妖艶なダンス

笑いの絶えないコミカルな演出  天から降る様な音 

今まで幾度となく これらに 心を ぎゅっ と鷲摑みにされたことがある

 

でも 今回は 『 静 』 の世界に呑み込まれた

静粛 の中で 静止 させられる空気と時間 

静寂 に包まれる一瞬一瞬

舞台に漂う 静謐 な気配 

それら全てを 静観 し 静聴 し 静想 する観客達

 

バレエとはそういうものだけど

バレエの醍醐味を改めて教えてもらった気分

 

バレエが好きでも嫌いでもない夫も

日本人もすごいな~ すごなったな~ 外人よりすごいよな~ と

えらく感動していた

次からは 喜んで付き合ってくれそうだ

 

このバレエ公演の二日前

志賀清 と オルケスタ・ティピカ東京 の タンゴ公演を観に行った

日本人の演奏するタンゴを観に行くのはこれが初めてだった

狂おしくなるような歌声や 心を掻き毟られるような哀愁を帯びた音色や

妖しい駆け引きを感じさせるエロティックな踊りや

タンゴの持つその全てが好きな私は

タンゴ というだけでこの公演に飛びついた

 

半年近くも前にチケットが売り出され

販売開始直後 繋がらない電話に耐えて チケットを手に入れた

チケット売り出し日の数日後 それは

私の大切な人の誕生日

これはいい考えだと思い その人への誕生日プレゼントにと

チケットを二枚買った

 

半年も待ったから 期待が膨らみすぎたのも仕方がない

初めて観る公演だったので バンドに対する期待は さらに高まる

 

舞台が開いてすぐ かって味わったことのない

妙な空気が ホール全体に じわ~っ と漂っていくのを感じる

 

何かが違う

 

絶対的な違和感

 

志賀清 が事故にあったとかで 首にコルセットをはめていた

ただでさえ貧弱な体つきのその人が

何倍にも貧弱に見える

その人が舞台に立っている ただそれだけで

タンゴの世界観がどんどん失われてゆく

 

タンゴは絶対に情熱的でなければならない

粗野でいい 

観客を圧倒する力強さがなければならない

 

妖しくなければならない

官能的でなければならない

追い詰められてゆくような息苦しさがなければならない

 

日本人が奏でるそのタンゴは

あまりにも上品で 滑らかに肌の上をすべってゆき

毛穴が悲鳴をあげなかった

 

ダンサーとシンガーはどちらもアルゼンチンの人らしいが

ダンサーは妙にお行儀のよいタンゴを踊り

綾小路きみまろのアルゼンチン版のようなシンガーは

フランス民族音楽のCDを聴いているかように さらりとしたタンゴを唄う

 

なんだか だんだん愉快になってきた

どうも何かが ちぐはぐ で 可笑しくなってくるのだ

きっとそれは 志賀清がコルセットをはめて舞台に立っているという

やってはならない大きな間違いに端を発しているに違いない

 

どうもタンゴを観たという気にはならなかったが

違う意味で とても印象に残る舞台になってしまった

まあ これはこれでよしとしよう...

私の大切な人も それなりに喜んでくれていたことだし

 

この日 私はまた一つ学んだ

 

大切な人を喜ばせたいと思うときは

" はずさない " と確証のあるものを選ぶべきだ 絶対に!!

間違えても 今まで観たことのない舞台に誘うべきではない

 

来年のこの人の誕生日には

東京バレエ団のバレエでも観にゆこう